コラムcolumn
【地面師とは?】2022/12/12
これから不動産取引をする予定であるなら、地面師のことを知っておいてください。
本日は地面士とは何者なのか?ということから、地面師に騙されない方法もご紹介させていただきます。
地面師(じめんし)とは、土地の所有者になりすまして売却をもちかけ、多額の代金をだまし取る不動産をめぐる詐欺を行う者、もしくはそのような手法で行われる詐欺行為のことである。
戦後の時代から地面師は存在していました。
戦後の混乱の際に狙われた背景や、さらにバブル時代にも大きな利益が得られるとされ地面師は増加したとされています。
近年は東京オリンピックの影響で土地の価格が上昇したことにより、地面師に狙われる事件が増えています。
なぜ騙される人が多いのでしょうか?
それは土地の所有者だけでなく、司法書士や不動産業者を装う人物等を含めたグループだからです。
個人間での土地の売買なら怪しいと気づいても、所有者とは異なる第三者を通すことで、購入者は信用してしまうかもしれません。
地面師の詐欺は、本人確認書類や印鑑証明書を偽装する手口もあります。
加えて近年はデジタル技術の発展により、本物とわからないほど精巧にコピーできるようになったことから、
本物なのか区別するのが難しくなっています。
【地面師に狙われやすい物件とは?】
では、どのような物件が狙われるのでしょうか?
地面師の手口を理解したら、次は狙われない対策をご紹介させていただきます。
地面師に狙われやすいのは、所有者が特定しにくい物件です。
使われず放置されている土地、所有者が亡くなり遺族が誰だかわからない土地、
所有者が高齢で施設に入っている土地、等々詐欺に使われるのは、
土地だけでなく駐車場やアパートというケースもあります。
簡単に所有者がわからない物件は狙われやすい傾向があると言えます。
買い主がお金を振り込んだ時点で詐欺は成立するため、後日、法務局から「登記できない」と言われて気づくケースも少なくありません。
【予防策】
詐欺の手口はわかりにくいので、予防策を知っておくことが大切です。
通常、代金の支払いと登記を同時進行すればいいと思う方がいらっしゃるかと思います。
ただ、支払いと同日に司法書士が法務局へ出向き登記の申請はできますが、
権利証の発行は数日かかるため、どうしてもタイムラグが発生してしまうのです。
こういった理由から、売買契約時に一部の代金のみ支払うようにして、
登記を確認してから残りの代金を支払う等の対策が出来ます。
支払いを分ければ、仮に騙されたとしても被害は一部で済みます。
または、知り合いに不動産業者や司法書士がいるなら、信頼できる人に仲介を任せましょう。
名前の知られている大手不動産業者や、地域密着型の不動産業者に仲介を依頼するのも、
不正を見破る対策として有効です。
ただし、信頼できる仲介業者に依頼したとしても、詐欺を100%防げる確証はありません。
ほかにも、地面師に狙われにくい物件を選ぶことで、対策はしやすいでしょう。
担保権がある物件は、銀行の抵当権抹消の手続きが面倒なため、地面師に狙われにくい傾向があります。
【地面師を見分ける方法】
最後に地面師の見分け方をご紹介させていただきます。
地面師は基本的に一人では活動せず、グループで行動することが多いです。
土地を探してきて、犯行計画を立てる人、地主などになりすまし役、
なりすまし役を見つけてくる人、パスポートや免許証などの書類を偽造する人、
弁護士・司法書士など法的手続きをすすめる人などそれぞれに役割があり、
地面師グループには最低でも5~6人の人数が必要です。
そして買いを急がされている感じがしたら、その物件は諦めたほうがいいかもしれません。
地面師は何としてでも買わせたいため、「ほかにも買いたいお客様がいる」「すぐに決まってしまう」などと言いだすでしょう。
買い主に損したくない思いがあると、冷静な判断を失う恐れがあるので、注意が必要です。
または、地面師は「売主に事情があり急いでいる」と言うかもしれません。
代金の振り込み時期が早ければ、
相手が詐欺だと気づかない確率が高まるためです。
長く取引をすればするほど、地面師のちょっとした対応で「おかしいな?」と思われるリスクがあるため、
短期間で取引しようとする特徴があります。
不動産売買をする時はこの点を注意してみると詐欺を未然に防ぐことが出来ます。
【まとめ】
今回は地面師とはなにか?ということから騙されないようにする方法、見抜き方をご紹介させていただきました。
地面師による詐欺事件は、大手企業だけが狙われるものではありません。
金額が大きくなる不動産取引では、一般の人も狙われる可能性があります。
不動産投資を始めるなら、土地や建物など物件を買わなければならないでしょう。
初めてのことで、取引に慣れていない方もたくさんいらっしゃると思います。
地面師に狙われないようにするには、買い主本人も手口を知っておくことがとても大切です。
不動産を購入するときは、信頼できる不動産業者を通すようにしましょう。
怪しいと少しでも思うのであれば、購入は控えるほうがいいかもしれません。
地面師は、買い主の買いたいという気持ちにつけこんでくる可能性があります。
これから不動産取引を始める方は、基礎知識として地面師の知識を身につけておいてください。